コラム

2019/10/10

I made your ○○!

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先日、月から10月1日まで、ファッションブランド BEAMS新宿店で設置されていた、みんな電力さんのプロモーションブースを見てきました。

 

全国地図を模した大きなボード。みんな電力さんに電気を供給する会津電力、千葉エコ・エネルギー、長野県企業局の三つの発電会社が紹介されており、3000円のカードを購入するとその場ですぐに電力が切り替えられる仕組み。その場で、各社から携帯の充電もでき、まるで洋服を選ぶように、気軽にお好みの発電所を選べるような見せ方が秀逸でした。

 

偶然、紹介されている千葉・エコエネルギーの方がおられ、しばし雑談。会話の中で印象的だった言葉がありました。

 

「(発電した)自分たちの電気を使っている人に会えて嬉しかった」

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同社は畑の上に太陽光パネルを設置して発電をしているのですが、夏の畑作業は正直しんどく、そんな時、電気を使っている人の顔が浮かんで励みになるのだそうです。

同じことは電気を使う私たちにも言えそうです。部屋の照明をつけた時、「そういえば、○○さん、畑仕事がんばってるかなあ」と思いを寄せ、電気を大切に使うようになるような気がしました。

 

つくる人と使う人のコミュニケーションはサステナビリティーをすすめる上でとても大切ですが、電気に限らず、今や私たちの身の回りにあるものは誰がどこでどうつくられたのかわからないものばかりで、つくった人とつながるのはそう簡単ではありません。

 

その結果、「見えない誰か」や「見えない問題」に思いを寄せることなく、さまざまな社会問題が起きているとも言えます。その意味でも、今回のアプローチは重要ではないかと思いました。

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写真:今回の展示を機に切り替えた人も結構多い

同じく、遠くなってしまった生産者と消費者の関係を取り戻す、面白い取り組みがあります。

毎年、4月に行われる「ファッションレボリューションキャンペーン」です。ファッションのあり方について考える世界同時キャンペーンで、このキャンペーンのキャッチフレーズが

 

“Who made our clothes?(誰が私の服をつくったの)”

 

これに呼応するように “I made your clothes.”というフリップを持った生産者側の写真が国境を超えてSNSにあふれます。このコミュニケーションによって、自社の服の製造にかかわる労働者の雇用条件などを見直すブランドも現れています。

 

つくる人と使う人がコミュニケーションをとることによってもっとサステナビリティを高められることがある気がしてきました。

 

Who made my [   ]?

I made your [   ]!

 

この会話の先に見てくるものとは……    (続く)