コラム
2020/07/22
上勝町ゼロ・ウェイストセンター「WHY」を見学!(オンラインでね)その1
先日、今年の5月30日(ごみゼロの日)に徳島県上勝町にオープンした、ゼロ・ウェイストセンター「WHY」を見学しました! といっても実際に行ったわけではなく、現地生中継で紹介してくれるオンラインイベント(主催 アカデミーヒルズ)を通しての見学だったのですが、IT技術のおかげで詳しく知ることができました。
ゼロ・ウェイストタウンで知られる上勝町は、90年代初頭、世の中がまだバブル絶頂期の最中にごみ問題の議論をはじめ、2003年には日本で初めて「ゼロ・ウェイスト宣言」を出しました。
ゼロ・ウェイストとは「無駄、浪費、ごみをなくすという意味。出てきた廃棄物をどう処理するかではなく、そもそもごみを生み出さないようにしようという考え方」(上勝町ウェブサイトより)。つまり、3Rの中でも最も優先度が高いReduce(ごみの発生抑制)を実践し続けています。
目標として「2020年までに焼却・埋め立てごみゼロ」を掲げてきたのですが、どうしても個人や一自治体の努力では処理できないものが「2割」残ってしまうことが課題となっています。残り「2割」の中身とは何か、そしてこの「2割」に上勝町が今後どうチャレンジしていこうとしているのか。「WHY」を探検しながらご紹介します!
(画像は動画のキャプチャになります。画像はブレブレですがご了承ください。なお、画像掲載は主催者に許可をいただいております)
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「WHY」は、「WHYという疑問符を持って生産者と消費者が日々のごみから学び合い、ごみのない社会を目指す」こと目的としています。
建物の形はユニークで、その名称を形にしたような、はてなマーク(?)の施設になっています。上から、ごみを収集・分別する「ゴミステーション」、町民がまだ使えるものを持ち込んで、必要な人は持ち帰りができる「くるくるショップ」(町民以外は持ち帰りのみ)、イベントができる「ホール」、大学や企業の「オフィス・ラボ」、そして宿泊施設まで完備された、ゼロ・ウェイストを学べる複合施設です。
施設をご案内くださったのは「WHY」を運営するビッグアイカンパニーCEOの大塚桃奈さんとゼロ・ウェイストの理念に基づいて上勝町でブルワリー「RISE & WIN」を2015年にスタートさせた田中達也さん。
まずは、ごみを収集・分別する「ゴミステーション」。上勝町はごみ収集がなく、町民が自分のごみを持参し、ここで分別します。その数45種類! 埋め立てや焼却ごみをなんとか減らしたいと思い取り組んだ結果、ここまで増えたそうです。(詳しく知りたい方は上勝町の資源分別ガイドブックへ。これをみているだけでもいろいろ考えさせられます)
「ごみ集積場といってもここはごみ特有の匂いがないんです」と大塚さん(オンラインでは残念ながらわかりませんでしたが...涙)。
というのも、上勝町では生ごみの回収はしておらず、各家庭でコンポストをしてもらっているそうです。上勝町の世帯数は約730世帯。全世帯で生ごみコンポストをしていると考えると驚異的です。(コンポストの購入支援は有)
ガラスびん一つとっても色の違いで分かれています。
実際に上勝町流45分別を体験してみることに。お題は、牛乳パック、レシート、ラーメンのカップ、使いかけの塗料が入った小瓶、化粧コンパクト、香水の瓶、乾燥剤。回収箱にはそれぞれ、回収コストが表示されています。たとえば、プラスチック容器は汚れていなければ+0.49円/kg、汚れていると-53.8円/kg。表示のおかげでプラスチック容器をきれいに洗う町民が多いそうです。
そして、塗料が入った小瓶、化粧コンパクト、香水の瓶、これらは埋め立てごみへ。乾燥剤は焼却ごみへ。これらが、上勝町の最後の難問、個人の努力では減らせない残り「2割」のごみに該当します。
こちらは、リユースを実践できる「くるくるショップ」。まだ使えるけれども不要なものを持ち込める場所です(持ち込みは町民限定。持ち帰りは誰でもできます)
もともと中学生のアイデアで生まれたショップだそうです。説明がなければどこかのセレクトショップかな、と思ってしまうおしゃれ感がありました。
持ち帰りの際は、重さを測って名称を記入します。こんな感じで、これまでにどれだけのモノがごみになるのを避けることができたかが表示されています(期間は不明ですが750kg)。
もうお気づきかもしれませんが、この建物にはあちらこちらにごみとして捨てられるはずだったものが活用されています。くるくるショップのシャンデリアは3000本のガラスボトルを使用。受付デスクには一升瓶のケースを利用。まるでアップサイクルの見本市のようです。
これもアップサイクル。さて、どの部分がアップサイクルかわかりますか?
答えは窓枠です。町民にいらなくなった窓枠を募ったところ、700枚も集まったそうです。過疎化が進む町では不要な窓枠も多くあったのかもしれません。
でもこうして使われることによって、町民同士が「あ、この窓は○○さんちのだ」と会話をするきっかけになったり、夜には明かりが灯り、かつての集落の賑わいを思い起こさせるモニュメントにもなっているそうです。素敵なストーリーですよね。
さて、こちらは交流ホールの窓。なんとなくステンドグラスのような素敵な窓(素敵に見えない場合は写真のせいです 汗)なんですが、これはあるものを活用しています。
さて、なんでしょう? 1.上勝町の間伐材 2.魚の網 3.キノコセンターのカゴ (「世界ふしぎ発見!」風に読んでください 笑)
だんだん長くなってきて、くたびれて疲れてきたと思うのでこのへんで一休み(笑)。答えは次回ご紹介します♪