コラム

2020/10/11

東京湾でマイクロプラ調査

百聞は一見にしかず 東京湾でマイクロプラスチックの採取調査を体験

先日、エコストア パパラギさんが主催されているヨット体験・半日乗船会に参加してきました。

ご案内してくださったのは30年以上、プロダイバーとして海に潜り、そして環境活動家として活動されている武本匡弘さん。ヨット、海、環境、平和、さまざまな視点からのお話に引き込まれつつ、あっという間の半日でした。


人生初ヨット

今回、はじめてヨットに乗ったのですが、想像以上に大きな船を前に「こんなに大きくて風の力で走るんだろうか?」などと思ってしまいました。この素人予測はその後、大いに吹き飛ばされるのですが(笑)。ヨットの名前は「Velvet Moon」。ロマンチックでかっこいい名前ですね。ヨットの説明を一通り受けた後、いざ東京湾へ。


沖合に向かうにつれ、台風前ということもあり、風が強くなってきました。初めはエンジンを使っていたのですが、途中からは風を利用して進んでみることに。ほんの少しの帆の広さの調整で進み方やスピードが変わっていく様子にはただただ驚きました。先頭には小さめの帆があるのですが、小さくてもスピードの7割を左右するんだとか。武本さんの指導の元、私も少しだけ運転を体験。わずかなハンドル捌きで船の向き、スピードが変わり、ヨットの繊細さを体感しました。
 

武本さんの話によると、ヨットは人類史上最古の乗り物で、今はエンジンもついていますが、本来は風の力をたよりに、風をよみ、帆やロープを巧みに使いながら前進していくもの。自分の感覚や体力をフル回転させなければ進まない。そんなスパルタ感あふれるヨットに、テクノロジー頼みで鈍った身体の中の何かが目を覚ますような感覚がありました。

 

その昔、風まかせ、自分まかせな乗り物に乗って、島々を渡った先人たちの感覚はどんなに研ぎ澄まされていただろう。「スマート○○」で賢くなったのは機械だけなのかもしれない。大波に揺られながらそんなことも考えたのでした。

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写真上 東京湾に残るわずか1-2%の自然海岸、の一つ。

 

東京湾 マイクロプラスチックの状況は

そして今回のお目当ては東京湾でのマイクロプラスチック採取。ヨットが走っている間、採取用の網を海に入れ、約数分(写真下、船から網を海へ入れている様子。ブイが網のあるところ)。

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顕微鏡で見てみるとたくさんのプランクトンと共にマイクロファイバー(写真下・上)、そしてマイクロプラスチック(写真下・下)、が見つかりました。こんなに簡単に見つかるなんて。何度も採取しないといけないのではないか、と思っていた私にとってはとてもショックでした。マイクロファイバーは色もはっきりと確認できました。「それだけ可塑剤が強いということでしょう」と武本さん。生物への影響が気になります。

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地球の異変を伝える地図

お昼を食べながら、太平洋航海のお話もおうかがいしました。中でも印象的だったのはこの「北太平洋パイロットチャート」が使えなくなりつつあるという話。

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これは月ごとの風や潮流など海の気象情報が記載された地図で、船を運行する人は昔からこの地図をもとに、計算を行い、船を運行するんだそうです。それが「最近は、風の向きや強さが変わってしまい、使えなくなりつつある」と武本さん。太平洋の島々の人たちに聞いても「風が昔とは変わってしまった」と言う人が多いそうです。地球の異変はもう着実に始まっている。そう地図が教えてくれているようでした。

 

プラスチックといい気候変動といい、一体私たちは何をやってるんだろう。陸での私たちの行動が問われている、そう感じた乗船会でした。

 

乗船会は随時開催されています。百聞は一見にしかず。関心のある方はぜひ参加されてみてください。詳しくはこちらリンク