コラム

2021/04/22

残念なプレスリリース タイトル

残念なプレスリリース タイトル

仕事柄、サステナビリティ、特に環境面での取り組みをPRするプレスリリースをみる機会が多くあります。

しかし、中には、プレスリリースの第一関門となるタイトルの時点ですでに魅力がうまくPRできていないものも少なくありません。

取り組みはいいのに、世の中にもっと広めよう!というところでどん詰まってしまっている。もったいなくてしょうがありません。

 

「本文で説明すればいいのでは」と思われるかもしれませんが、タイトルで面白くなければ忙しいメディア関係者には見てもらえません。せっかくいい取り組みをしているのにタイトルで捨てられてしまうのはもったいない!の一言。

そこで今回は自戒も込めてサステナビリティを伝える際のプレスリリースのタイトルについて考えてみたいと思います。



メディアが報道したくなるポイントを考える際に役立つのが「PR IMPACT®️」(参考参照)。これは電通さんが作成したオリジナルメソッドで、メディアが報道したくなる6つの視点がまとめられています。

その一つが「社会性」、つまり、伝えたい事柄が社会にどう役立つのか、です。

サステナビリティに関連する事柄の場合、もともとこの社会性はクリアしているので無理やりつくる必要はないというのが一つの利点になるのですが、そこに甘んじているのか、タイトルの時点ですでに力が抜けてしまっているようなタイトルもあります。

たとえば、

 

 「ABCシステムを開発」

 「A地域でABC認証を取得」

このタイトル、みなさんはどう思われますか? 取材したい!と思うでしょうか。これだけでは何のことかわからない、という人が多いのではないでしょうか。

しかし、実際、ほぼこれに近いプレスリリースタイトルを何度かみかけたことがあります。

これではせっかく社会性というウリポイントがあってもみてもらえません。

発信している人からすると、ABCシステムはごみ削減に役立つシステム、ABC認証は森林保全に役立つ認証といった認識が当たり前になっているのかもしれませんが、はじめてみる人にとってその価値は全くわからないと考えるべきでしょう。

 

せっかくの社会性を活かすのであれば

 「SDGs目標12 食品ロス半減貢献 飲食店向けABCシステムを開発」

 「四国地域初 A(地名)で 森林保全に貢献するABC認証を取得」

など、具体的な訴求ポイント、最近のキーワードなどをタイトルにしっかりと入れ込むことが大事です。

当然、このタイトルに続く文章では、このタイトルを補完すべく、どうSDGs目標12の簡単な説明や食品ロス問題の現状、いかにこのシステムが食品廃棄物削減につながるのか、具体的なデータ、写真などを伝えていく必要があります。

最近は有料プレスリリース配信システムを通じて、メールのような形でプレスリリースを受け取る機会も増えています。メールの場合、タイトルは前から18文字程度が開封されるかどうかの決め手と言われています。つまり、タイトルを工夫するだけではなく、さらに前半18文字でビビッとくるようにしなくてはいけないのです。

サステナビリティの取り組みの推進は言うまでもなく待ったなしです。

サステナビリティに関連する取り組みがもっと報道されるように、ぜひタイトルから温度あげて仕込んでいきましょうね!

 

<参考> PR IMPACT®️
Inverse 逆説、対立構造
Most 最上級、初、独自
Public 社会性、地域性
Actor/Actress 役者、人情
Keyword キーワード、数字
Trend 時流、世相、季節性

 

詳しく知りたい方は『PR思考』翔泳社がおすすめ。

注意)正しい英語のスペルはIMPACT。ここではCがKになっているのでご注意を。