コラム

2021/05/15

エシカル消費 大学生の反応は

エシカル消費 大学生の反応は

5月上旬、神戸大学の神戸GCP基礎論で「エシカル消費と私たちの暮らし」をテーマにお話をさせていただきました。オンラインでの開催ではありましたが、熱心に質問をしてくれる学生さんが多く、お伝えする方としても多くの刺激をいただきました。

終了後のアンケートをみると様々な気づきを得てくれたことが伝わってきました。たとえば、

自分に見えていないだけで現代にも奴隷のように搾取されている人がいることを初めて知った。
日本の養鶏場の90%がバタリーケージで私のイメージしていたフリーゲージの養鶏は少数という事実を知れて良かった。
衣服の化学繊維も海洋プラスチック問題にかかわっていることを知った。

人新世という言葉を意味することについては、

人間が地質学に歴史を残してしまうほど、環境汚染が進んでしまっていること

に改めて深刻さを感じている学生さんもいました。

 

多くの疑問も寄せられました。

量り売りや紙製品の導入等のある種小手先の対応で、プラスチック消費は減らせるのか。
給食にオーガニックのお米を用いる活動は全国の学校ですることが可能なのか。

など個別の内容に関するものもあれば、

日本におけるMSC認証の認知度が海外に比べて低いのはなぜか。
日本において、養鶏でバタリーケージが多いのはなぜなのか。
日本が先進国の中で対策に遅れるのはなぜか。

など日本の取り組みの遅れに疑問を投げかけるもの、さらには

なぜ愛知目標が達成されなかったのか。
SDGsは何をもって達成されたとするのか。
エシカルな消費活動を進めることと貧困層が生活していける社会をつくることの間のトレードオフをどう解決していくか。

など問題の根本に迫る問いもありました。

 

全体的には多くの学生さんが「消費者が社会問題の解決に深くかかわっている」ということと同時に「消費者の買い物の仕方によってエシカルな好循環をつくり出せる」ということに気づいてくれたことが、話し手としては何よりの喜びでした。また、今後実践してみようと思ったこととしては、マイボトルの持参や認証ラベルついた商品を選ぶ、量り売りのもの、包装材が少ないものを選ぶなど多くの具体例が寄せられたことも嬉しく思いました。

数年もすれば社会人になる大学生のみなさんにエシカルの視点を知ってもらえたことは、これからサステナブルな社会をつくっていく上とても貴重です。いつかどこかで、ご一緒できることを楽しみにしています!

 

機会をいただきました、消費から持続可能な社会をつくる市民ネットワーク、神戸大学の皆様にこの場を借りてお礼を申し上げます。