コラム
2022/02/04
正直が一番!「青のり」に学ぶコミュニケーションの基本
【サスコミュラボ no.1 「正直が一番」】
すじ青のりが帰ってきました!
何の話かと言いますと、お好み焼きや焼きそばにかける「青のり」の話です。
1971年から『青のり』を販売してきた三島食品は2020年7月、原材料の変更を理由に、パッケージを青色から黄緑に、商品名を『青のり』から『あおのり』に変更しました。(詳しくはこちら/筆者執筆)
気候変動による海水温の上昇などを理由に原材料となるスジアオノリが激減。生産量のピークだった2015年と比較すると10分の1にまで減り、価格も高級肉並になってしまいました。
そこで、他の種類のノリでしばらく対応することに。その際、単に原材料名の表示を変えるだけではなく、パッケージの色まで変更し、名称表記もひらがなの「あおのり」に変えたのでした。見た目と香りが良いスジアオノリへのこだわりと消費者に確実に伝えたいという正直な思いから出た行動でした。
(右が変更前、左が変更後。三島食品ウェブサイトより)
この真摯な対応がSNS上で話題に。三島食品の「必ず帰ってきますから」という熱いメッセージの応えるかのように「待ってます!」というメッセージがあふれました。
それから約1年半。約束通り、養殖と天然ものを組み合わせたスジアオノリ100%で帰ってきた、というわけです。
ここから学ぶことは何でしょうか。私はやはり「正直が一番!」に尽きると思います。ちょうどこの記事を書いている2022年2月はじめ、アサリの産地偽装が話題になっています。報道をみているとかかわっている方々はどうやら承知の上で産地偽装をしていた模様。見た目だけで産地は分からないから大丈夫だろう、と思ってしまったのでしょう。産地偽装は食品表示法違反です。しかし、問題はそれだけにとどまりません。商品そのもの、商品を販売している店、つくっている会社への信頼失墜につながります。
今後、昨今の気候変動や環境変化によって原材料の変更を余儀なくされることも増えるでしょう。本来の質が保てない時もあるかもしれません。でも、そんな時は邪なことは考えず、正直に事実を伝えることが一番です。
今回の「青のり」のように、産地変更を積極的に伝えるコミュニケーションをとれば、ますますファンが増え、原材料変更という災難もブランド価値を高めるプラスの機会として活用することができます。
ということで今日のサスコミュラボのポイントは「正直が一番!」でした。
*サスコミュラボとは:サステナビリティを高めるためのコミュニケーションを調査研究するラボ