コラム

2022/11/23

サステナビリティに熱心なIKEA その心は

サステナビリティに熱心なIKEA その心は

先日、スウェーデン発祥のインテリア・家具ブランド「IKEA」に行ってきました。
サステナビリティに熱心なことでも知られるIKEA。実際、店舗でどうお客様とコミュニケーションを取っているのでしょうか。


店内を早速見てみると......商品の説明と共に、環境に配慮した点やその製品を使うことによって環境負荷がどう減らせるのかといった説明がフロアの至るところで見受けられました。全て読んでいると時間がないほどの情報量。ちょうど訪問した時はカフェでサステナブル・シーフードフェアを展開しており、「海の資源状況を守るためにも認証製品を選ぼう」といった趣旨の店内放送も流れていました。

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実際にお客様がどれくらい説明を読んでいるのか、理解・共感しているのか、行動に変化が起きているのか、気になるところですが、生活の楽しさを確保しながらもサステナブルな暮らしにシフトしてもらおうという熱意が伝わってきました。

この熱意は一体どこからくるのか。そう思っていた矢先、とてもいい記事をみつけました(こちら)。イケア・ジャパン株式会社CEO兼CSOのペトラ・ファーレさんのインタビューです。記事によると、お客様を信じて、コミュニケーションをはかり、お客様と共に、サステナブルな暮らしへのシフトにチャレンジしていくことを大切にしていることが述べられています。

これだ!と思いました。

日本の企業からはまだまだ「消費者の意識が低いから売れない」といった声が企業から聞かれます。私はこうした発言を耳にする度に違和感を感じていました。そもそも、全ての人は消費者ですし、消費者と企業の持っている情報量、資金も含めたさまざまな力は圧倒的に違うわけですから、サステナブルな方向へとシフトするよう、取り組む責任はまず企業にはあるはずです。

でも、ご紹介した記事を読んで私が腑に落ちていなかった本当のポイントに気づきました。つまり「消費者の意識が低いから売れない」という発言の奥底には「お客様=消費者を信じていない」という前提があり、そのことに落胆していたのだと。

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木製のボックスの値札を裏返すと...           端材などを活用している説明が書かれていました。

 
お客様=消費者は本当に意識が低いのでしょうか? 

意識の低さが原因で行動につながっていないのでしょうか?

ファーレさんが言われるように、お客様を信頼すれば、企業としてできることはもっとありそうです。これからも、「消費者を信頼する」ことを大前提に、コミュニケーションワークを通じて、もっと消費者=お客様と共にサステナブルな方向へとシフトしていくチャレンジを私自身も続けていきたいと思いました。