コラム
2024/02/18
ケージフリー卵生産の拡大を願って
ケージフリー卵生産の推進を支援するグローバルフードパートナーズ(Global Food Partners)の広報支援を行いました。
グローバルフードパートナーズはシンガポールに拠点を置くコンサルティング会社です。 ケージフリー卵生産のベストプラクティスに向けた持続可能かつ経済的に実行可能な移行を実現するために食品企業や農家、業界ステークホルダーを支援し専門的知識・技能を提供しています。特に中国やインドネシア、日本、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイを拠点に事業を行っています。
今回、日本での展開のため、オンラインセミナーを開催することになり、そのための広報支援を行いました。SNSも開設したばかりで会社の認知度もこれから、どいう段階でしたので、登壇者からメッセージをいただき配信機会を創出 (サイトはこちら)。事前に内容を理解し、より関心を持った方々に参加いただきました。その他、メディアへの個別アプローチやメディア資料の作成支援などを行いました。
日本の一人あたりの卵消費量は多く、国際鶏卵委員会(IEC)の調査(2021年)によると337個と、メキシコの409個についで世界で2位を記録するなど常に上位にランクインしています(詳細)。しかし、日本の採卵養鶏の99%は「バタリーケージ」と呼ばれる、A4サイズほどの広さの金網でつくられたかごの中での飼育されている推定されています。1日に1万回以上も土をつつく鶏の性質が確保される状況には程遠いのが現状です。ストレスを抱えた鶏は仲間をつつくため、嘴を切る処置まで行うなどさらなる悪循環を生み出し、アニマルウェルフェアの観点からみると深刻な問題を抱えています。
一方、世界はバタリーケージを利用した養鶏を禁止した「ケージフリー」生産を加速させています。EUは2012年にバタリーケージを禁止。米国ではカリフォルニア州やミシガン州、オハイオ州など州レベルでの禁止が進んでいます。ヒルトンやマリオットなどの観光業をはじめ、企業レベルでもケージフリー卵への移行が進んでいます。スターバックスやマクドナルドなども米国を中心に100%移行していますが、日本を含むアジア地域では、供給不足や消費者の関心度の低さが移行を阻む要因となっています。
今回のセミナーでは、アジア各国が積極的にケージフリー生産への移行に動き出していること、また、生産者は需要があれば、移行に前向きであることもわかりました。重要になってくるのは、養鶏家への技術的な支援です。その点、豊富な知見を持つグローバルフードパートナーズが支援していくことによって、今後、アジア、そして日本が、ケージフリー生産をリードしていくことを期待しています。
今回はその足がかりとなるセミナーの広報支援を行うことができ、とても光栄でした。
グローバルフードパートナーズでは生産者向けのオンライン講座も行っています。政府や企業の政策立案者の方がケージフリー生産の理解をすすめるためにもおすすめです。ぜひ関心のある方はご利用ください(こちら)