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2021/06/07

エシカル消費をチャンスに

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「エシカル消費」という言葉を耳にすることも随分増えてきました。エシカル消費とは消費のインパクトを深慮して、買い物の際に、環境や人権などのサステナビリティに関する課題の解決に資するものを選択する、というものです。特にサステナビリティに敏感なミレニアルズの支持も得て、いわゆるエシカル消費市場は今急速に拡大しています。

 

このエシカル消費の関心を高めた一つの出来事があります。2013年に、バングラデッシュの首都ダッカで起きた、ラナプラザ商業ビルの崩壊事故です。ファスト・フードならぬ、ファスト・ファッションと呼ばれる、安価で、使い捨ができる衣類でビジネスを行うファンッション企業が、バングラデッシュに工場を置き、商品を生産していました。過酷な労働条件で働く人々の人権は軽視され、さらには、工場そのものが突然崩壊、1000人以上もの人命が失われました。

この事故を機に、先進国の人々は、商品がどのような経緯で自分の手元に届いたのか、なぜ安価に買えるのか、考えるようになりました。自分の消費行動がどんな社会的インパクトを持つのか、遠く離れた国の人々を幸せにしているのか、といったグローバルなサステナビリティ問題への関心が急速に高まる機会となったのです。

 

このような企業が抱えるグローバルな人権問題に対処すべく、国連は、2011年「ビジネスと人権に関する指導原則」を採択し、国連加盟国に対応を求めました。「ビジネスと人権」の問題といえば、今、中国のウイグル問題に注目が集まっています。中国がウイグルの人たちに対し、強制労働を強いたり、ジェノサイド(集団殺害)と言えるような行為をしているとの指摘から、海外の政府が憂慮し、ウイグルのコットンを使用する製品を受け入れない、という政治問題が生じています。その対象には日本の企業も含まれています。

 

コットン(綿花)自体は、脱プラスチックの観点からも重要な素材です(化繊の場合、洗濯をすると、マイクロファイバーが排水に混ざり、新しいタイプの海洋汚染問題を生じます)。また、オーガニック農法の場合、労働者の健康や環境の保全にも貢献でき、さらには現地の人々の雇用等にもつながります。

 

しかしながら、人権侵害という社会面の問題が生じてしまうと、いくら環境面でよい要素があっても、政治的問題にまでつながってしまいます。ESG投資家がこのような状況を放置することはありません。従って、その様な企業の株価は下がっていく傾向を示しているのが現状です。消費者も同様です。エシカルな消費者は、人権侵害につながるようなそのような商品を購入することを回避します。いわゆるボイコットです。このように、人権に配慮しない企業にとっては、投資家、消費者の両者からの圧力がかかります。逆にいうと配慮している企業は、生き残っていくということになります。

 

持続可能な開発に関する教育が義務教育や大学教育において実践され、また、地球環境問題の悪影響が顕著となってきている現実から、グリーンコンシューマー、エシカルコンシューマーと呼ばれる、エシカル消費を志向する消費者は着実に増えてきています。10年前には、あまり耳にすることのなかった言葉ですが、もう、10年が経過し、今では、トレンディな言葉となりました。

 

このトレンドに敏感に反応し、取り組んでいる企業は、順調に収益を上げていると言われています。ESG・SDGsで高く評価されることで、投資を呼び込み、消費者の支持を得ることができます。また、経済的価値と社会的価値の好循環を生み出すことができ、サステナブルな社会を構築することに貢献できます。日常の衣食住を振り返ると、企業が果たせる役割は無限大と言えるのではないでしょうか。

 

SWAVE シニアアドバイザー 川本 充

 

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