コラム

2021/12/29

生物多様性戦略を展覧会で伝える

生物多様性戦略を展覧会で伝える
2021年最後のライティングはこちら。

 

世界的ラグジュアリーブランド、ケリング・グループの生物多様性戦略について、2021年11月26日(金)から28日(日)まで、東京・表参道ケリングビルにて行われた、展覧会「Fashion & Biodiversity:ケリングと共に考えるファッションと生物多様性」をご紹介しつつ、解説しました(リンク)。

 

企業の戦略紹介といえば、文字やグラフがいっぱいのパネルがずらりと並ぶイメージが浮かびますが、今回、ケリングが選んだ紹介方法は「展覧会」。アートを見るような感覚で、よく抽出された情報だけをインプットしていく感じがとても心地のいいイベントでした。

 

展覧会を通して一番感じたことは、ケリングが「服は生き物からできている=生き物および生き物が生きる地球が健全でなければケリングの存在はありえない」と真剣に捉え、取り組みをはじめている点です。包括的で専門性の高い戦略、目標、実行計画からもその本気度が伝わってきました。

 

ようやく、気候変動と同時に生物多様性への取り組みも求められる時代になってきました。日本のブランドから今後どんな生物多様性戦略が打ち出されるか。今後、楽しみにすると同時に、さまざまなステークホルダーにその戦略をどう共有していくのか、注目していきたいと思っています。

 

今年一年、多くの皆様にお世話になりました。
来年は、皆様にとっても地球にとってもさらによい年になりますように。どうぞ良いお年をお迎えください。

2021/12/15

中の人と共に

中の人と共に

昨日は冷えました。寒くなると恋しくなるのがチョコレート(私だけ?)。最近は写真にあるレインフォレストアライアンス認証付きのチョコがお気に入り。仕事の合間にほっと一息しています。

このチョコレートは日本生協連さんのプライベートブランドなのですが、2021年の春から、環境や社会に配慮した原料を使った商品に共通のロゴマークを付け、「コープサステナブル」としてシリーズ化されました。たとえば、FSCやRSPO、MSCやASC、有機JAS認証を得た商品などにつけられています(詳細はこちら)。同じマークをつけることによって、注目度、認知度を高めよう、という試みです。

先日、この取り組みをリードされた方のお話をうかがう機会がありました(詳しくはこちら)。「認証を得ている商品に共通ロゴをつける」だけ、と思われるかもしれませんが、関係者の理解や賛同を得たり、該当する商品を確保したり、ロスが出ないように商品の切り替えの工夫をしたりとさまざまな課題を乗り越えながら実現されていることがわかりました。

仕事柄、サステナビリティにかかわる取り組みの「中の人」のお話をうかがう機会が増えました。周りからみるとささやかな取り組みでも、コストはもちろん、会社や関係者の方の理解や賛同、業界の習慣などさまざまな壁を乗り越えるのに苦労されていることがほとんどです。最近では、サステナビリティにかかわる商品や取り組みをみると、きっと「何かしたい」「なんとかしたい」と思う「中の人」が奮闘して実現したんだろうなあ、と思うようになりました。

 

中には?と思うものや「もうちょっとこうだったら...」と思うものもありますが、単に批判をするのではなく、少しでもよい方向に向いていくよう、想いを実現できるよう、知恵を絞り、汗をかきながら一緒に舟をこいでいく、そんな時代になりつつあるような気がします。

 

 

 

 

 

 

1