コラム

2022/03/29

きっかけは割れ目

話のきっかけをつくる

チョコレート好きな私にとって、疲れた時に口にするチョコレートは格別です。今回は私の大好きなチョコレートから広報TIPをご紹介します。

今回ご紹介するチョコレートはオランダで大人気のチョコレートブランド、「トニーズ・チョコロンリー」です。

「あれ、でもなんだかいびつな割れ目。これじゃあ、均等に分けて食べられないじゃない!」と思ったあなた。
まさに、そこにトニーズが伝えたいことがありました。

世界のカカオ生産の約6割を占める西アフリカでは約156万人もの子どもたちが働いています。その結果、教育を受けられず、貧困の連鎖が生まれ続けているのです。しかし、一方で先進国の一部のチョコレートメーカーは低価格でチョコレートの原料となるカカオを買い続け、大きな利益を得ている。その先には安価な価格でチョコレートを楽しむ消費者が...... 

これこそ「いびつ」な世界じゃないのか! トニーズチョコからはそんな声が聞こえてきそうです。

 

 
トニーズチョコは、西アフリカの児童労働に問題意識を持ったオランダのジャーナリスト、ジャーナリスト トゥーン・ファン・デコーケンさんにより2005年に設立されました。チョコレート業界にはびこる奴隷制を終わらせることをミッションに、自らが使う素材はもちろん、カカオ、砂糖共にフェアトレード認証をを得たものを使用しています。

サステナビリティに関する話題は背景が複雑なことが多く、なかなか簡単に理解できることばかりではありません。それだけに、ついつい説明が億劫になったりしてしまうことも多いのではないでしょうか。しかし、消費者やステークホルダーとサステナビリティについてまずは話すこと、これは全ての始まりであり、とても大切です。

そこでおすすめしたいのが今回ご紹介したようなわかりやすい「コミュニケーションポイントをつくること」。人がふと気づくようなフックを意図的につくることによって、話を切り出しやすくしたり、見た方が気づきやすくすることが目的です。

もう一つ、コミュニケーションポイントの事例をご紹介します。

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以前にご紹介した木造賃貸マンション(こちら)の玄関に設置された木製の棚。地元産木材で作られており、住んでいる方が地元産木材を意識したり、また、遊びに来られた方に「うちのマンションは地元産木材でつくられているんだよ」と話すきっかけにしてもらうために設置されていました。

確かに、部屋はごく一般的なワンルームマンションなのでこれがなければ、地元産木材で作られたマンションであることは忘れられてしまいそうですし、何もない中で、部屋に来た方に「このマンションはね...」と話すのもなかなか難しそうです。その意味ではとてもいい「コミュニケーションポイント」だと思いました。

 


児童労働も気候変動も生物多様性も、全ての社会問題はまず「知ること」から始まります。その「知る」きっかけとして、コミュニケーションポイントはとても重要です。コミュニケーションポイントを通してどんな情報を届けるか、どんな会話が生まれるか、考えてみるとワクワクしますね!

 

トニーズ・チョコロンリーについて詳しくはトニーズ・チョコ・ロンリー

おまけ、もう一つコミュニケーションポイントの事例をどうぞ(ステッカー