コラム
2025/05/15
熱帯雨林で韓流ドラマ

前回に続き、ウータン森と生活を考える会が主催するボルネオ島エコツアー参加レポートをお伝えします。
ボルネオ島エコツアーレポート、最終回は現地での暮らしぶりについて。
ツアー中、ボルネオ島の南中央部に位置するハラパン村にホームステイさせていただきました。
そこで驚いたのは、お風呂。インドネシアはお風呂(浴槽)に浸かる習慣はないので浴槽はなく、朝夕に「マンディ」と呼ばれる水浴びをします。ホームステイした村もマンディスタイルで雨水を使っている、と聞いていました。雨水のお風呂!?
一体どんなものなんだろうと不思議に思いながら迎えた初日。案内されたお風呂場ならぬマンディ場には1メートルぐらいの高さの大きな瓶のようなものが二つ。なみなみと水が入っており、大きめの柄杓がぷかりと浮いていました。見るとなんとなく茶色く濁っています。底の方には砂か泥のようなものが沈殿しています。
これで体を洗うのか.......。山や海でそれなりにいろいろ経験はしてきたつもりだったのですが雨水は初めて。カルチャーショックで立ち尽くしていると蚊がぶんぶん飛んできて刺される始末。
じっとしている場合じゃない。えーい!かぶっちゃえ!と思い切って水を浴びると......水の冷たいこと! 外は30度程度の暑さですが、桶の水はとても冷たく、いきなり全身浴びるのはためらわれるほど。森の中を一日中歩き回って熱った体が一気に冷えていきます。色とは裏腹に不思議と匂いはなく、なんとなく水が柔らかいような気もしました。
ふと目を上にやると、屋根から雨樋をつたって、雨が水桶に入るように誘導用の樋がつくってあることに気づきました。「あー、ほんとに雨水なんだ」。
トイレも、ボタン一つで水がじゃーっと流れるわけではありません。柄杓で桶の水をすくって流すのが基本。これでちゃんと流れるのかな......と不安に思ったのですが十分流れるんです! 計ったわけではないのですが、柄杓の水は1杯あたり500mlぐらいじゃないかと思います。それを2回ぐらい流せば十分だったので、日頃いかにたくさん水を使っているか痛感しました。
次の日。昼になると再びむわっと蒸し暑くなり、そして夕方にはお決まりの雨が降ってきました。
その時です。「あー雨降ってよかった。これで瓶に水貯まるな♪」と思った自分に驚きました。というのも初日、瓶の水を半分ぐらい使ってしまったので、今日の分の水が足りるのかどうか心配だったんです。
二日目には雨水もなんのその。きゅーんと冷えた水をじゃんじゃん浴びて暑さを吹き飛ばしていました。そして夕方に雨が降ると「これで今日も安心♪」を思うように。人間、案外早く適応するものです。
軒先を歩き回っている鶏さん。
村では、各家で鶏や魚などが育てられていました。「鶏だー!」とめずらしがっていると「食べる?」と聞かれることも(笑)。家や川に浮かんでいる船もすべてDIY。森にいけば薬になる植物がたくさんあり、調子が悪くなると植物の力を借りる。服などは買っていますが、暮らしに必要な多くのものを自分たちの力でまかなっていました。
カラフルな船。インドネシアには各地域に独自の工法でつくられた船があるそう。
決してモノがたくさんあるわけではなく、日本に比べれば不便なこともあるのですが、しばらく過ごすうちに、「あれもこれも本当に必要なんだろうか」「そんなに便利である必要があるんだろうか」と日頃の暮らしぶりを見直す機会になりました。
とはいえ、現地ではスマートフォンが広がっており、大人はみなさん、食後にスマホに見入ってくつろいでいました。何を見てるの?と聞いてみると「韓国ドラマ」。小学生ぐらいの子どもが教えてくれたのはYOASOBIの歌でした。
環境問題というと、何かと二律背反になりがちですが、実際には、賛成、反対とくっきり分かれるわけではなく、それぞれの考えや感覚は「斑ら(まだら)」で、「韓流ドラマ」に涙する、そんな共通項を持っていることをこれからも感覚として大切に持ち続けていきたいなと思いました。
人生のいいマインドセットになったボルネオ島エコツアー。毎年参加者を募集しているのでぜひ参加してみてください!詳しくはこちら
ツアー中お世話になったハラパン村のみなさんと!後列右端はウータン森と生活を考える会事務局長のいっしー。
第1回レポート アブラヤシの実ってカタッ!
第2回レポート ここはビーチ?