コラム

2019/10/17

壱岐市に続け!気候非常事態宣言

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先日、日本で初めて「気候非常事態宣言」を出された長崎県・壱岐市にインタビューしました。(記事はこちら
長崎(市内ですが)は一年ほど住んだことがあり、自然、食、文化の豊かな、大好きな場所の一つなので個人的にとてもうれしく思いました。

 

衝撃だったのは、宣言の理由が、主な産業の一つである漁業への影響の深刻化。
藻場が減少し、魚が獲れなくなり、漁業を辞める人も出てきているとのことでした。

 

台風15号、19号と、急速に発達し、勢力を保ったまま日本列島を襲う猛烈台風が増えてきました。
19号はなんと、中心気圧958ヘクトパスカルを保ったままアラスカまで到達したそうです(こちら)。海水温が高く、勢力が衰えなかったため、とみられています。驚くべき状況です。


台風だけではありません。世界を見渡せば、森林火災、大旱魃、大洪水、大雪、熱波。
少し調べるだけでも山のように「異常」な状況が世界中で多発していることがすぐにわかります。

これはまさに「気候危機」と言わざるを得ません。

 

壱岐市に続いて、鎌倉市からも宣言が出されましたが(こちら)、今後、多くの自治体や大学、企業などから宣言が出され、気候危機を脱するための強力なイニシアチブが取られることを期待すると同時に、私自身も機会を見つけてアクションを起こしていきたいと思います。

 

写真は壱岐砂浜図鑑より

 

2019/10/10

I made your ○○!

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先日、月から10月1日まで、ファッションブランド BEAMS新宿店で設置されていた、みんな電力さんのプロモーションブースを見てきました。

 

全国地図を模した大きなボード。みんな電力さんに電気を供給する会津電力、千葉エコ・エネルギー、長野県企業局の三つの発電会社が紹介されており、3000円のカードを購入するとその場ですぐに電力が切り替えられる仕組み。その場で、各社から携帯の充電もでき、まるで洋服を選ぶように、気軽にお好みの発電所を選べるような見せ方が秀逸でした。

 

偶然、紹介されている千葉・エコエネルギーの方がおられ、しばし雑談。会話の中で印象的だった言葉がありました。

 

「(発電した)自分たちの電気を使っている人に会えて嬉しかった」

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同社は畑の上に太陽光パネルを設置して発電をしているのですが、夏の畑作業は正直しんどく、そんな時、電気を使っている人の顔が浮かんで励みになるのだそうです。

同じことは電気を使う私たちにも言えそうです。部屋の照明をつけた時、「そういえば、○○さん、畑仕事がんばってるかなあ」と思いを寄せ、電気を大切に使うようになるような気がしました。

 

つくる人と使う人のコミュニケーションはサステナビリティーをすすめる上でとても大切ですが、電気に限らず、今や私たちの身の回りにあるものは誰がどこでどうつくられたのかわからないものばかりで、つくった人とつながるのはそう簡単ではありません。

 

その結果、「見えない誰か」や「見えない問題」に思いを寄せることなく、さまざまな社会問題が起きているとも言えます。その意味でも、今回のアプローチは重要ではないかと思いました。

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写真:今回の展示を機に切り替えた人も結構多い

同じく、遠くなってしまった生産者と消費者の関係を取り戻す、面白い取り組みがあります。

毎年、4月に行われる「ファッションレボリューションキャンペーン」です。ファッションのあり方について考える世界同時キャンペーンで、このキャンペーンのキャッチフレーズが

 

“Who made our clothes?(誰が私の服をつくったの)”

 

これに呼応するように “I made your clothes.”というフリップを持った生産者側の写真が国境を超えてSNSにあふれます。このコミュニケーションによって、自社の服の製造にかかわる労働者の雇用条件などを見直すブランドも現れています。

 

つくる人と使う人がコミュニケーションをとることによってもっとサステナビリティを高められることがある気がしてきました。

 

Who made my [   ]?

I made your [   ]!

 

この会話の先に見てくるものとは……    (続く)

 

2019/09/22

NPOならではの! マスメディアへのPR方法をマスターしよう 10/12(土)

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NPOのみなさん! 新聞やテレビなどにイベントのお知らせや活動の内容などを紹介してもらったことはありますか? 

チラシやSNSでのPRも重要ですが、やはりマスメディアのインパクトは大きいもの。マスメディアへのアプローチ方法はぜひ身につけていただきたいスキルです。

 

この講座ではマスメディアにPRするための基本となる「プレスリリース」の作り方から、メディアにどうアプローチしたらいいのか、取り上げてもらうためのコツを紹介します。

企業と共通する部分はあるもの、はやり違いがあるのがNPOの広報。NPOの強み、弱みなどNPO事情を踏まえたコツ!をお伝えします。

 

こんな人におすすめ
・マスメディアにPRする方法を知らないけれどやってみたい!
・マスメディアにPRはしているがなかなかうまくいかない
・もっとマスメディアにPRする方法を知りたい 

 

■日時:10月12日(土)10:30から12:30
■場所:フジサワラボ(神奈川県藤沢市藤沢577 寿ビル2階)(アクセス)藤沢駅北口から徒歩5分(地図はこちら
■参加費:NPO(任意団体含む。趣味の会の方もOK)の方限定 1人1,500円
■定 員:6人
■主 催:SWAVE(https://swave.fun) 

 

(講座内容) プレスリリースの書き方の基本/取り上げられるためのコツ/プレスリリース事例紹介/活動への共感者を増やすマスメディアの活用方法/相談タイム

 

【申込み】こちらのフォームに必要事項をご記入ください。

 

●講師    有川 真理子(サステナブルPRプランナー)
環境NGOを中心に、企業も含めて15年以上広報にたずさわる。エシカル消費にかかわる事業のコーディネートのほか、会報誌やウェブサイト、メールマガジンなどの企画運営、マスメディアへのPRやSNSの運営など多様なNGO広報を経験。サステナビリティを大切にした広報、多セクターとの協働のプロジェクトを得意とする。PRプランナー。

2019/09/22

書いて、話して、伝え方を猛練習! 第2回「グッとくるPR講座」

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9月21日(土)は第2回「グッとくるPR講座」(藤沢市市民活動推進センター主催)最終回でした!

今回は、まず、イベント時の広報プランづくりのコツをお伝えしました。
NPO活動には欠かせないイベント広報。いつもやっているからもうわかっているよ、と思いがちですが、地味ながらもキチンと基本を押さえて「イベント広報秘伝のタレ!」とつくることが大事です。

後半は前回に続き、ペルソナを使った団体紹介文づくりのブラッシュアップ、そして1分間団体紹介!にチャレンジしていただきました。

口頭での団体紹介がどうもみなさんにとってプレッシャーになってしまったらしく(汗)、はじめ、みなさんの雰囲気が最初かたかったのですが、果敢にチャレンジしてくださいました。
それぞれ個性あふれる、さまざまな工夫をこらしたスピーチに、学びの要素が山盛りでした!

私の方からもその都度、これまでの経験で得たコツや成功・失敗エピソードをお伝えはしましたが、何より、みなさんがとても積極的に講座にコミットしてくださったことが学びの多い、楽しい講座になった一番のポイントだと思います。ご参加くださったみなさん、ありがとうございました!

そして貴重な機会をご提供いただいた藤沢市市民活動推進センターの皆様にもこの場を借りて心より感謝申し上げます。


最後に、今回の講座が、ご参加いただいたみなさんのファンを増やし、活動の発展につながったり、よりよい社会づくりに少しでも役立てばこんなにうれしいことはありません。ぜひまた実際にやってみて「こうだったよ!」というお声をきけるのを楽しみにしています。

 

<お知らせ>10/21(土)にはNPO(任意団体の方OK!)ならではの!メディアへのPR方法講座を開催します。詳しくはこちら

 

写真は、1分間スピーチの参加者による講評をそれぞれ読んでいる様子。

 

 

2019/09/09

ワークライフバランスはまちの「機能性」

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ワークライフバランスNO1シティーに選ばれたヘルシンキに関する記事をideas for goodさんで書かせていただきました(こちら

「ヘルシンキは健康的な都市生活のためにできる限りいい条件を提供することをめざしている。
 私たちのビジョンはヘルシンキを世界で一番機能的なまちにすること」とヘルシンキ市長ヴァン・バパボーリさん。

ワークライフバランスというと、まさに読んで字のごとく、仕事と生活のバランス、個人の生活の質の話に終始しがちな気がするのですが、まちの「機能性」としてとらえていることが新鮮でした。

このあたりの根本的な捉え方が違いを生み出しているような気がします。

来年からはさらに、勤務時間の半分はどこで、いつ働くか、選択できるようになるそうです。これには働きすぎてしまうかもしれないという課題もあるそうですが、いずれにしてもまちの「機能性」を高めるチャレンジを果敢にしているヘルシンキに学ぶことはたくさんありそうです。

 

写真は筆者がシドニーの週末マーケットで撮影したもの。地域の手作りフードや雑貨が並ぶ。地元ミュージシャンのギターを聴きながら芝生でごろんとしているだけで楽しい。