コラム
2021/09/20
カーボンフリー電気に切り替えました!
2050年までに脱炭素を実現する。国内外の政策、企業の取り組みが今、一斉にこの目標に向かって急速に動いています。メディアで気候変動という文字を見ない日はない、といっても過言ではないのではないでしょうか。
それだけに、個人でもできることはないか、と思っている方も多いのではないでしょうか。
もちろんたくさんありますが、手っ取り早く、しかも、大幅に削減するおすすめの方法があります。
それは再生可能エネルギーを重視した電力会社に「パワーシフト」することです。
ざっくりした計算ですが、家庭のCO2排出量の約半分は電気由来なので、もし再エネ100%の電気に変えれば、それだけで50%削減を実現できることになります。脱炭素のためだからといって、暑さ寒さをがまんしたり、環境団体にいつも寄付をしたり、というのはなかなか長続きしません。でも電力会社を変えるだけでOKとなると結構できそうな気がしませんか。
ということで、我が家では再エネを推進している湘南電力を利用していたのですが、今年登場した「湘南のカーボンフリー」電力に、さらに切り替えました(詳しくはこちら)! これは、太陽光や風力などによって発電され、固定買取価格制度(FIT)によって電気事業者に買い取られた電気、いわゆるFIT電気に加え、FIT電気が仕組み上(※1)発生するとみなされるCO2をJ-クレジット(※2)で相殺し、カーボンゼロにしたプランです。
もともと、私が湘南電力を選んだ理由は、地域で再エネを推進していること、そして、電気料金の一部を地域の文化や環境に関する活動の応援に活用していることでした。再エネを推進している電力会社は随分増えましたが、中でも地域の持続可能な発展を重視している点に共感しました。
再エネを推進する電力会社であればどこでもでもいい、というわけではありません。昨今、地域住民や環境を軽視した再エネ設備の設置も問題になっています。どんなことに注意してどう選べばいいのか、『パワーシフト・キャンペーン』の吉田明子さんに、パワーシフトをするメリットやよりよい電力会社の選び方をおうかがいした記事があるのでよかったら参考にしてみてください(詳しくはこちら)。
ちなみに写真は、湘南電力からいただいたステッカー。湘南電力を利用していることをアピールしたいので某放送局への受信料支払いを証明する玄関用のステッカーと同じようなものがありませんか、という数年前にリクエストしたことがあるのですが、もしかすると覚えていてくれて実現してくれたようです。ただ、貼ってみるとオートロックなので宅配の方くらいしか見てもらえないことが判明。いいコミュニケーションツールになると思ったのですが......迂闊でした。
※1「お客さま以外の方も含め、電気をご利用する全ての皆さまから集めた賦課金により賄われており、この電気のCO2排出量については火力発電なども含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われます」(湘南電力ウェブサイトより引用)
※2 省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度(詳しくはこちら)
2021/09/12
ブランドステートメントをつくりました!
ほとばしるように熱い、エシカルなファッションへの思いをクールに伝える...
ついつい依頼者と一緒に舞い上がってしまいがちな私には、盛り上がりすぎないようにするのが大変なくらい熱い思いを持ったブランドでした。
実は昨年のお仕事ですが、HI(NY)様ご依頼により、ファッションブランド 9R(ナインアール)様のブランドストーリーを作成しました。
まずは9つ(も!)ある、Rの意味は...
<9Rの定義>
Reduce:服を無駄に作らない
Reuse:価値ある服は再利用する
Recycle:資源に戻し再利用する
Refined:洗練された素材を使用する
Real:ユーザーにリアルを届ける
Rational:合理的な判断をする
Radical:既存の常識をリセットする
React:行動し続ける
9Rでは、大量生産、大量消費のファッションのあり方に疑問を持ち、ファッションの楽しさを保ちつつも、エシカルなファッションをつくろうと、素材のこだわりだけではなく、過剰生産を抑え、生産工程の透明化をはかるなどさまざまな取り組みをされています(詳しくはウェブサイトへ!)。
ブランドステートメントをつくるにあたって、事前のヒアリングをさせていただいたのですが、熱い思いに話がつきませんでした。今、サステナビリティをうたうブランドは数多くありますが、やはり、有言実行。言うだけではなく、どれだけ実行できているかが最終的に消費者の信頼を得られるかどうかのカギとなります。その意味では実態がしっかりあるブランドだけにステートメントのつくりがいがありました。
では早速、おつくりしたブランドステートメントを皆様にもご紹介いたします。多くの人とサステナブルな未来をつくりだすきかっけになりますように!
Brand story:ナインアールが創りたい未来
"気持ちのいい服を選びたい。
服をつくる人、運ぶ人、売る人。服にかかわる全ての人が、
日々の暮らしを大切にしながらつくられた服を。
地球の未来を守ってくれる服を選びたい。
空気も水も、海も森も動物も、
全ての未来の子どもたちに残していきたいから。
私が、私でいられる服を選びたい。
忙しない日々の中で見失いそうになる
私の気持ち、私の意思を思い起こさせてくれる。
新しい世界をつくっていく服を選びたい。
多くの人と力を合わせれば、新しい世界がつくれると
いつも勇気づけてくれる服と共に、私がつくっていく未来。"
2021/08/19
ボルネオ島に植樹しました!
先日、ボルネオ島に植樹しました!
といっても現地に行ったわけではありません。ウータン・森と生活を考える会というNGOを通じて、植えてもらいました。
こちらが現地で植えてくれたデデさんからのメッセージ。
ボルネオ島はインドネシア、ブルネイ、マレーシアの三国にまたがる赤道直下の島で、世界に三番目に大きな島でもあります。また、ボルネオゾウやオランウータン、マレーグマなど固有種を含むさまざまな生き物が生息しており、生物多様性の宝庫とよばれています。
そんな貴重な森ですが、かつての3分の1ほどしか森が残っていないといわれています。なぜそこまで減ってしまったのでしょうか。原因は違法伐採や、私たちが日々口にする食べもの、洗剤、化粧品などに使われているパーム油をとるためのアブラヤシプランテーションが広がったためです。
植えていただいたのは「クルイン」という在来の樹種。樹高が20~30m以上になる巨木で、5年に1回程しか結実しないため、苗木を入手するのはとても難しいのだとか。そこで、苗木は地域の森から採取され、村の苗床で大きく育ててから植えられています。こうした一連の作業に現地の若者が参加しており、今回の植樹も若者育成の期待も込められているそうです。
今回、植樹をしてみて気づいたことがありました。
それは、植樹によって植えられた地域への関心度がより高まったこと。これまでも熱帯雨林の問題には関心を持っていましたが、木を植えてもらったことで、「植えられた木は元気かな?」「植えてくれたデデさんは元気かな?」「天候は大丈夫かな? 火災に見舞われたりしていないかな」とまるで我が子が現地にいるかのような気持ちになりました。
環境問題の解決のために最初に大切になるのが、関心、愛着です。
最近、気候変動の緩和を目的とした植樹が増えつつありますが、植樹によって、植えられた地域の環境や地元の人たちなどへの関心、愛着が高まるとすれば、CO2吸収源を増やすだけにとどまらない価値を秘めているといえるのではないでしょうか。
いつか植えてもらった木に会いに行ける日を夢見て。
その日まで、たくさんの日を浴びて、多くの生き物たちと元気に大きくなってね!
2021/07/25
ブルーフラッグビーチに行ってきました!
2021年4月に海岸の国際認証「ブルーフラッグ」をアジア初民間取得した片瀬西浜・鵠沼海水浴場に行ってきました!
以前、ideas for goodでご紹介した(前編・後編)今回の取り組み。取得後、海開きをするのは今年が初めて、ということで実際に行ってみるのを楽しみにしていました。実際に行ってみると......
海岸に着くと早速看板に出会いました。「水質・環境教育」と「情報」「環境管理」「安全」の4つのカテゴリーのもと、33の基準を満たした海岸であることや歴史などが英日で紹介されていました。
昔はずいぶんごみが散乱していたと聞きましたが、歩いてもほんとごみは全くといっていいほど見当たらず、とても気持ちよく散歩できました。海の家がオープンする9時ごろには「店舗前のごみを拾ってください」というアナウンスが。定期的に清掃をすることによってごみのない綺麗な海岸が保たれているようでした。
喉が渇いたので海の家で一休み。ビーチでのかき氷は格別ですが、提供されている容器は使い捨てプラスチック。ごみの発生抑制、海洋プラスチック問題解決のためにも、リユース容器にシフトしてもらえればなあ、と思いました。水際で遊んだ後にシャワーを使ったのですが、備え付けの洗剤はどうやら合成洗剤。海のためにも石けんを使ってもらえたらなあ、とあれこれ期待が募るのでした。
きれいで安心して楽しめる海。当たり前かもしれませんが、この当たり前を保つために、多くの人が安心安全の確保、水質の確保、さらには環境保全にも取り組もうと努力を重ねています。ブルーフラッグは取得をしてからがスタート。特に、片瀬西浜・鵠沼海岸は民間取得であることから、ボトムアップでの取り組みの展開が期待されています。今後どんな取り組みが生まれるのか、利用者としても楽しみです!
※写真撮影時のみマスクをはずしています。
注意:コロナ禍のため、遠方の方は状況が落ち着いてからお越しください。また訪問する際は、ルールを守ってご利用ください。
2021/07/07
生物多様性への関心を高める? アートの力
キンセンガニ、キタマクラ、ヒイラギ、ハマシギ...
さて、これは一体なんでしょう。答えは茅ヶ崎に生息する生き物の名前。
先日、茅ヶ崎市美術館で行われた、アートワークショップ「もってけ!ちがさき!!〜シールラリーで巡る茅ヶ崎の自然とシャカシャカキーホルダー作り」に参加してきました。
企画をされたのは、東京造形大学の若見ありさ先生のゼミナールに所属する学生の皆さん。クイズを通して茅ヶ崎にどんな生き物がいるのかを学びつつ、最後に、茅ヶ崎の生き物(模型)とビーズなどを入れたシャカシャカキーホルダーをつくるというもの。
「ハマヒルガオの花の色は何色?」
「キタマクラが食べるのはクジラとヒトデのどっち?」などなど、クイズを通していろんな生き物が生息していることを知ることができました。
そもそも、キタマクラと言われても、それって虫? 花? 動物? 魚? と知らない生き物も。
でもどんな生き物が生息しているのかを知ることは生物多様性保全の観点からみるととても大切です。
生物多様性には、生態系の多様性、種の多様性、そして遺伝子の多様性の三つがあります。
どんな生き物がどんなところでどう生きているのか、を知らなければ、その生き物の生態が危機的になったとしても気にもかけられないでしょう......。
生き物の名前を知って、さらには、その生き物がどんなところでどんな暮らしをしているのか、何を食べるのか、どうやって泳いだり歩いたりするのか、天敵は何か、どうやって繁殖するのか......興味を広げていくことができれば、私たちの暮らしとその生き物のつながりも見えてくるはずです。
今回のワークショップは、コロナ対策をしながら楽しめるアートワークショップとして開発されたそうですが、生物多様性への関心を高めるツールにもなる可能性を感じました。
何より美術系の学生さんがつくられているだけあって、生き物の絵の緻密さと親しみやすさのバランスが絶妙でさすがでした! アートと環境。この二分野がコラボすると強力なワークショップができそうですね!
ちなみに、キタマクラは魚です。その名前の理由は...(こちら)
キンセンガニはその名の通りカニですが、浜で歩くのはどうやら不得意なよう。形をみるとその理由がわかりますよ(こちら)
最後にヒイラギ。これは植物のヒイラギではありません。何かというと...(こちら)これも形をみるとなるほど!だからこの名前なのね、と納得。